バンドにおけるエレキベースの音作りを考える【その3 アンプ】

今回は、そもそものアンプの立ち位置から、独自の考察を交えご紹介していきます。
また、ライブハウスやスタジオに置いてある定番ベース・アンプの音作りのコツも解説します。 

「美味しんぼ」って漫画がありますよね。あの漫画では、最高の食材を最高の職人が調理します。そして食通が唸るのです。

ただ、一般人の僕らには現実的じゃないですよね。ベースも一緒です。最高の機材は、なかなか手に入るものではないです。最高の職人には、たゆまぬ努力で、あなたがなってください。

現実的な話をしましょう。

プレベタイプ・ジャズベタイプect…それぞれで音が違います。同じタイプでも、木材や、ピックアップ等の電気系統が変われば音は変わります。

ただ、個人的には実はここはあんまり重視しなくても良いかもしれないと思う時があります。

ベースの立ち位置について理解する

誤解を恐れずに言うと、ベースの音を一杯のラーメンに例えると、ベース本体はさしずめメンマです。

ですので、ベースの良し悪しはメンマの良し悪し程度の差しか生まれないと感じます。もちろん、最高の一杯を作る為には最高のメンマ(ベース)が必要です。ですが、大勢を決めるのは麺とスープ(これらこそがアンプとキャビネット)なんです。

さあ、ここからが本題です。

与えられた食材をどうやってうまく調理するのか一緒に考えましょう。
真面目モードに切り替えます。(不真面目だったわけでもないですけど。)

ベースの場合、ライブの際にアンプ・キャビネットを持ち込む例は、ギターの1/5程度じゃないでしょうか?特にキャビネットなんて、ベース用の物は大きく大変重いものが極々一般的です。
そのようなものを日常的に持ち歩くなど、そうそう出来ることではありません。

定番ベースアンプの音作りを解説

ですので、今回はスタジオやライブハウスに良くあるアンプやキャビネットで考えていきましょう!

今から上げるのは、よくあるブランドで2大巨頭と言ってもいいでしょうね。

HartkeとAmpeg。
これは定番です。

これらの性格をよく知っておくと、多くの場で役立つと思います。

Hartke(ハートキー)HA3500の音作り

HartkeではHA3500が定番となっていて、ほんとによく見かけます。
キャビネットはアルミコーンスピーカーの搭載されている115XLと410XLがよくセットになっています。

測ったわけではないのですが、ヘッドアンプの特性はきっと比較的フラット(この表現もイマイチ曖昧ですが)なんじゃないかなと思うんです。Hartkeの音たらしめてるのは、きっとキャビネットでしょうね。

アルミコーンのスピーカーユニットの特性とキャビネット自体の重さの関係で、やや重心の高めの独特な音になっていると感じます。一言でいえば、ドンが少し弱めのドンシャリといったところでしょうか。

高音の再生能力は、必要以上に高いです。故に、ギターと音カブリし易いですが、アンプのコントロールパネルのグライコやトレブルコントロールで不要な高音を抑えてやれば、比較的容易に艶のあるベースサウンドを作り出せます。

このアンプで悩むのは、「PreAmp」と表記されている2つのインプットボリュームとマスターボリュームのバランスだと思います。

僕の音作りの仕方は、まずはイコライザーをフラットにして、TUBE側を歪んだと感じる直前まであげ、次にSOLID STATEを輪郭がくっきりしてきたなと感じるところまで上げてます。そして、音量をマスターボリュームで調整します。そこで一旦音量が決まったら、周りの音を聴きながらイコライザーで音を整えます。

バンドにおけるエレキベースの音作りを考える【その1 音のイメージ】』で紹介したように、アンサンブル全体の音を意識しましょう。整ったら、最終的な音量をまたマスターボリュームで調整するといった具合で作ります。

ただし、これが正解ではなく、マスターボリュームを10まで上げておいて、PreAmpのボリュームで音量を決めている人もいるようです。

それぞれの方法の差は結構大きくて、前者では歪みやすいですが、後者ではかなり歪み難くなっています。感情的な演奏が、前者では音色に、後者では音量になって出てくる感じです。これは、後述するAmpegでも同様です。

Ampeg(アンペグ)SVT-PROシリーズの音作り

ということで、Ampegにまいりましょう。

Ampegのヘッドアンプで定番となっているのはSVT-PROシリーズですが、その中でも様々なものがあるので少々厄介です。しかし、音の傾向は概ね一緒ですので、まとめてしまいます。

キャビネットは、SVT-810という10インチのペーパーコーンスピーカーユニットが8発のものをよく見かけます。このキャビネットは、Hartkeと比べ、かなり重くなっております。この重量が、余裕のある低音再生を可能にさせているのではないでしょうか?

キャビネットの特性に加え、アンプ側も低音から中音にかけてが盛り上がるようになっていると思います。特に、SVT-2PROとSVT-810の組み合わせでの音圧感は、特筆すべきものがあります。

Ampegにはグライコの無いモデルもありますが、周りの音を意識して調整していきましょう。

やはり、アンプのブランドが変わったからと言って、目指すところが大きく変わるものでもありません。結局、音作りの手段も、似たものになるのです。使う材料が違うだけです。
ラーメンだって麺は茹でるし、スープはタレを出汁で割って作るんです。

プリボリュームとマスターボリュームではなくて、ボリューム1つと3バンドイコライザのみのような、シンプルなコントロールのものでも哲学は変わりません。(使う材料が変わると、もちろん音は変わります。)

こちらの音量調整は、比較的簡単です。上での説明の前者にあたる方法では、PEAK/MUTEのLEDが強くピッキングした時に薄っすら光るぐらいまでゲインを上げ、最終的な音量はマスターボリュームで調整します。

どうですか?簡単ではないですか?
歪みをLEDで可視化してくれているので、調整が楽なのです。

キリがないので、今回は2つのブランドしか紹介していませんが、こういった感じでいろんなアンプの特徴を把握しておくと、知らないハコで知らないアンプに巡り合ったときにも、「このアンプはアレに近い感じだから、こうしたら良いんじゃないか」というような感じで、近道が見えるようになってくると思います。

そうして色々なアンプに出会う中で、ホントに気に入ってどこで演奏するにもこれが良い!というものが見つかったら、是非買いましょう。
この際、見た目だけでもいいのです。音の好みは自分をアンプに合わせていけばいいですし。

楽しくキモチよく演奏するために、色々な努力が必要です。演奏の練習も、音作りの研究も必要です。

まとめ

こんな風に、偉そうに記事を書いている僕も未熟者です。

「そこはそうじゃないでしょうが!」と思われる方がいらっしゃることは、もとより覚悟しています。そうなのです。色々な音作りの哲学があるのです。やわ麺が好きな人も居れば、バリカタが好きな人も居るのです。

音作りの経験は、ヒントとしてこの記事のようにみんなで共有できるのです。自分の経験を易々と人に教えるのを、勿体なく感じることも分かります。僕も正直、この記事を書くことを少し迷いました。

ただ、迷える子羊たちを導く事は、きっと色々なところに波及してベースだけでなく音楽全体が盛り上がってくれるんじゃないかなーって楽観的ながら思い、この「バンドにおけるエレキベースの音作りを考える」シリーズを書きました。

今回で「バンドにおけるエレキベースの音作りを考える」シリーズは一旦最終回としますが、また何か面白そうなテーマが見つかったらまたやります。
(すごくニッチなヤツならあるんですが、これはきっとディープすぎるので上の人と相談しなくちゃならん)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

バンドにおけるエレキベースの音作りを考える【その1 音のイメージ】
バンドにおけるエレキベースの音作りを考える【その2 歪み】

楽器買取無料査定