ギターの弦の力について考える ~後編~なぜオクターブチューニングをするの?

オクターブチューニングは、ギターやベースを弾く方なら自分or楽器店で行っているとは思いますが、なぜするのかを深くは考えたことはないのでしょうか。
前回に引続き、今回も弦の力について考えることで、オクターブチューニングをする理由について深く迫っていきます。

これは前回考察した内容をふまえて書いてますので、こちら(弦の力について考える~前編~)からまずご確認ください。

前回同様、音楽の話は皆無の内容です。お気を付けください!

弦は張力により真っ直ぐになっている

弦は張力によって真っ直ぐになっています。
(厳密にいえば弦にも重さがあるので、重力によって無視できるレベルで極々わずかにたわんでますが、目で見ても絶対わかんないです。無視していいです。)
つまり、ナットとサドルの最短距離を結んでいます。

例えば12フレット(以下12F)で弦を押さえてみましょう。
12Fは開放弦から1オクターブ上がるフレットです。
1オクターブ上がると周波数は2倍になります。
同じ質量で同じ張力の場合、弦の長さが半分になります。
(このメカニズムは複雑ってわけでもないですが省略します。今は長さが半分だと弦振動は2倍の速さになると覚えてください。)

なので12Fの位置はスケールの半分になっています。
ストラトなら648mmのスケールなのでナットから324mmのところに12Fがあります。
なら12Fからナットの反対方向へ324mmのところにサドルが来るはずですが、実際にはそうではありません。

なんででしょうか?

弦を押さえるということは真っ直ぐのものを曲げる行為です。
極端に書くとこんな感じです。

もう三角比とかちゃんとは覚えていませんが、斜辺はどの辺よりも長いことは覚えています。
そうなんです。弦を押さえると伸びるんです。
伸びると張力(応力)が増すんです。張力が増すとシャープするんです。
だからサドルを12フレットから遠ざけて、押さえてシャープする分をフラットさせて、
音程が合うようにしなければならないのです。

どれぐらい張力が上がるかは弦の素材と断面積によって変わります。

張力によるシャープをどう回避しているのか

断面積が大きくなると、弦が伸びたときに発生する応力が大きくなります。
なので太い弦ほどサドルがボディエンド側にくるんです。

4弦のサドルは3弦よりネック側にくるじゃないか!(怒)って方、大丈夫です。矛盾はしていません。
ワウンド弦は芯になる線材の外側にさらに線材を巻き付けて質量を増してあります。
この場合、張力を負担するのはほとんど芯の線材になります。
多くの場合、4弦の芯線は3弦より細いです。
なので4弦のサドルの方がネック側にくるようになります。

こういう訳でオクターブチューニングは弦のゲージ、弦の素材、弦高(もっと言えば銘柄)を変更した場合には行う必要があります。
ご自身で行える自信が無い方は当店の様な楽器店へお持ちください。

錆びた弦はなんで切れやすいの?

最後に弦の錆についてちょっと考えましょうか。

これはすごく簡単です。

錆びた金属はほとんど弾性がありませんので変形すなわち破壊となります。
なので応力を負担できませんので錆びた部分は有効な断面積に計上できません。
また、錆びは均一ではなく部分的に発生し、そこから進行しやすいです。
錆が進行して有効な断面積の小さくなった部分に変形が集中します。

細い弦は断面積における錆びた部分の占有が進行しやすく、切れやすくなるんです。
錆が原因で弦が切れた場合、弾き方にもよるでしょうが他の弦も同程度に錆びていると見込まれますので、すべての弦を交換した方がいいと言えます。

まとめ

前回に引き続き、今回も自分自身考えてみて成長に繋がった部分があると感じています。
実はこの弦の考察は楽器店で働いているだけではできなかった内容で、これまでに高校で勉強したことが大いに役立っています。(建築系の学科だったんですけどね)
人生、無駄だと思ってた勉強も思わぬ形で役立つ時が来るんですね。
という訳で学生の皆さんは、今学んでること真剣に取り組んでください。それはいつか君を助ける武器になりますよ。ホントです。

弦の力について、前編後編に分けてお届けしました。

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