フルートの頭部管の役割とは。頭部管で音は変わる?

シンプルに見える頭部管ですが、演奏のしやすさや音色を変える工夫が様々に施されています。
音が生まれる場所である頭部管は、フルートの音色に大きく関わってくる「心臓部」とも言えます。

■フルートの頭部管の役割とは

フルートは木管楽器に分類されますが、クラリネットやサックスにあるようなリードは無く、「エアリード」または「ノンリード」と呼ばれる方法で演奏されます。
演奏者が吹き込む息が空気の渦になり、それが音となって音色を奏でるため、頭部管は音が生まれる場所となります。

頭部管の内部には様々なパーツが施され、同じように見える外見であっても、息を吹き込む歌口の穴の形状など、細かい部分で異なっています。

そのどれもが音色に影響するため、頭部管によって個性が決まると言われています。
フルートメーカーの中にはこの頭部管を専門に制作しているところもあるように、非常に重要なパーツで需要も高いと言えます。

■頭部管にはどんな種類があるの?

メーカーごとに様々なバリエーションが用意されています。

国内メーカーのヤマハを例に挙げると、頭部管のバリエーションは現在7種類 あり、素材に金製を選ぶこともできます。
バリエーションごとの作りの違いや音色の違いは、多くのメーカーがホームページやカタログなどで紹介していますが、海外製や古いものは掲載されていないことがあります。

では、頭部管を選ぶとき、どこを見たら違いが分かるのでしょうか。

◇頭部管の材質

金、銀、またはその両方が使われたものや、木製など様々あり、この材質によっても音色が変わります。
金製や銀製はより良い音色に近づくと言われますが、純度によっても音色が異なり、純度が高いほど高額になります。

◇歌口

演奏者の息が吹き込まれる穴である歌口の形状は、音色に影響が大きいため、頭部管を選ぶ際は一番に注目すべき場所です。
穴の形状が四角や楕円、また、小さいか大きいかによっても出しやすい音域が変わります。

演奏者が出したい音色が低音域なのか、中・高音域なのかによって選ぶと良いでしょう。
中には前後が対照になっていない歌口などもあるため、眺めただけでは気づきづらい部分もあるようです。

◇リッププレートやライザー

「リッププレート」は演奏者が唇をあてる板のことで、「ライザー」はリッププレートの台座の名称です。
この部分だけを金製にしている頭部管もあり、歌口と近いだけあって音色に影響します。

ライザーの高さも高いか低いかによって抵抗感が異なり、演奏しやすい音域が変わります。
リッププレートの中には彫刻が施されたものがあり、見た目の優美さだけでなく、唇の滑り止めという役割も持っています。

■頭部管を変えると音は変わるの?

演奏者の息が吹き込まれる頭部管は、そのフルートの基本的な「性格」を決める、非常に重要なパーツと言われています。
一人として同じ口、同じ息の吹き込み方をする人はいないため、演奏者に合った頭部管へ変えるだけでも音が変わります。

また、演奏のしやすさ、コントロールのしやすさはもちろん、素材が異なるだけでも重厚な響きになったり、豊かで広がりのある音色になったりすると言われています。

頭部管と管体をつなぐジョイント部の内径が合っていれば、異なるメーカーの頭部管を組み合わせることもできます。

例えばジャズ向きなど、特定の場面に向く音色にしたかったり、音色自体のグレードアップを図りたかったりする場合は、本体ごと買い替えるよりも頭部管を変えることで費用をおさえられる利点もあります。
ただし、管の太さが異なるものを組み立てると破損してしまうため、楽器店などで相談しつつ選ぶようにしましょう。

頭部管はフルートの音色や個性を決めるため、フルートの命とも言われています。
専門の楽器店や、スクールに通っていれば講師や先輩などにも相談しつつ、自分が求める音色を実現できる頭部管を探せると良いですね。